YAMAHA CDX-1050は1990年に発売されたCDプレーヤーです。1990年代のヤマハはリストラ、工場の売却など経営は悪化の道をたどっていきます。そんな中、オーディオもピュアオーディオからAVアンプ・ホームシアターへと軸足を移していくことになります。1990年発売のCDX-1050と640は、さながらロウソクの火が消えかかる前にパッと明るくなる最後の灯火のような製品だったのかもしれません。
フロントパネルのデザインは先代のCDX-1030/930シリーズを踏襲したものです。外見だけ見るとCDX-1030にサイドウッドを取り付けただけのよに見えるため、CDX-1030のマイナーチェンジと書いた評論家もいましたが、中味は基板も回路も全く別物となっています。
CDプレーヤーの心臓部であるD/Aコンバーターには、新開発の1bitDAC・I-PDM(Independent Pulse Density Modulation)を採用しています。I-PDMは出力パルスを独立化しパルスの面積を比較して正確にアナログ波形に変換するという仕組みで、原理的には歪みが発生しないようになっています。
ローパスフィルタにはアクティブ型より音質が良いとされるパッシブ型の採用。アナログオーディオ部のアンプはA級動作となっています。
またシャーシは高い剛性化を持つダブルコンストラクションシャーシで、GPレッグとあわせて、防振対策も十分に施されていました。 |
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シャーシはYAMAHAの上級機伝統の2重構造で、「ダブルコンストラクションシャーシ」名付けられた高い剛性と防振能力を持ったとものとなっています。
底板は二重底。さらに天板も二重構造として、2枚の板の間には防振ゴムのダンパーがサンドイッチされるようになっています。サイドパネルにもサイドウッドが装着されるので2重ということになります。
インシュレーターは「GPレッグ」と呼ばれるもので、逆円錐型の「ピンポイントレッグ」と、普通の形状の「防振レッグ」を選択することができます。
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 | |  | | 1枚目の天板。裏側にゴム製のダンパーが貼ってあります。 | | 2枚目の天板 |
| | |  | |  | | GPレッグ(防振レッグ) | | 防振レッグを外すと中から「ピンポイントレッグ」が現れます。 |
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| 電源回路のトランスは大きめのものが1つですが、デジタルとオーディオと別巻線になっています。トランスはタムラ製作所。コンデンサはELNA製を使用しています。電源コードは直径9mmのキャブタイヤコードになっています。 |
 | |  | | 電源回路 | | 電源回路 |
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1990年にはかなりの機種でデジタルサーボが採用され始めましたが、CDX-1050はアナログサーボのままです。サーポ調整用のボリュームは「フォーカス・ゲイン」「フォーカス・オフセット」「トラッキング・ゲイン」「トラッキング・オフセット」など。
ディスプレィの後ろには2つのバックライトが付いています。どちらかの電球が切れるとディスプレィの端が暗くなったりします。 |
 | |  | | サーボ回路 | | サーボ調整用のボリューム |
| | |  | |  | | ディスプレイのバックライト | | ヘッドフォンの電動ボリューム |
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| オーディオ回路には大きなシールドケースが3つありますが、内部は不明。DACはヤマハオリジナルの1bitのI-PDM(YAC501-D)。コンデンサーはMUSEや松下製の物が使われています。 |
 | |  | | オーディオ回路 | | オーディオ回路 |
| | |  | |  | | I-PDM・DAC YAC501-D | | MUSEコンデンサ |
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ピックアップ・サーボメカのベース部分は樹脂製ですが、しっかりしたものです。ピックアップはオリンパス製の「TAOHS-KP2」を使用。スピンドルモーターは4mmφシャフトの制振ブラシレスモーター。トラッキングはリニアモーターを使用しているのでサーチも高速です。
トレイは「GTトレイ」と呼ばれるもので、アルミ押し出し材を使用したトレイ本体に、制振ディスクマットが取り付けられています。 |
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| 出力端子はアナログが固定と可変の2系統。デジタルは同軸と光の2系統となっています。 |
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